僕のあだ名がヴォルデモートになるまで

僕がいつかヘビを飼い始めて、そして禿げ上がってスキンヘッドにするまでの軌跡

頑張るコツは頑張りすぎないこと

頑張りすぎるとすぐに疲れてしまう。疲れてしまったら、次頑張るときの心理的な抵抗が強くなる。そうすると作業のハードルが高いからなかなか着手できなくなる。そんな自分を責めるばかりで、どんどん時間が過ぎていく。頑張れない自分が情けない…

適応障害になってから、この思考パターンが多いことに気づいた。だから最近は頑張り切らないようにしている。

「もう少し頑張れるけど、今日はこんくらいでやめとこうかな」

そのくらいでやめると、次の日作業に取り組むハードルがぐっと低くなる。だから、たとえ少しずつでも着実に作業は進む。小さな成果でも積み上げていくと、少しずつ失った自信が戻ってくるのを感じる。

遠くに行く時に、全力ダッシュで行く人はいない。全力で走れるのはせいぜい400mだろう。でもジョギングでなら運動習慣のない人だって2,3kmは走れる。歩きならもっと遠くまで行けるだろう。焦らない。焦らない。長い人生、"太く短く"より"細く長く"。遠くの景色を見に行きましょう。

 

風変わりな下駄を買ってみた件

道着をきる競技を長くしていたからか、和装に少し興味があります。とはいえ、20代前半の男子大学院生が、いきなり本格的な着物に入門するのは金銭的にも風格的にも敷居が高いです。そこでもう少し手頃で和を感じさせるものということで、下駄を物色していました。冴えない貧乏男子学生が下駄をカランコロンさせながら歩くなんて、いかにも時代遅れでいいなと思います。

そんなとき異彩を放つ下駄を発見して、風変わりな物好きの私は即決で購入してしまいました。それがこちら。

getta-vl.jp

株式会社GETTAさんのGETTAです。

リンクを踏んで商品を見てもらえばわかると思いますが、通常の下駄の歯が2本であるのに対して、このGETTAには歯が1本しかありません。このような下駄は一本歯下駄と呼ばれ、古くは山で修行に励む僧侶たちが使用していたものだそうです。歯が一本しかないため、当然使用するためにはバランス感覚が必要とされます。一本歯下駄の使用に伴って獲得される身体操作感覚が日常生活はもちろんスポーツにも有効であることに注目し、株式会社GETTAさんはスポーツと伝統工芸を一体化させたスポーツ工芸品ブランドARUCUTOを作り、一本歯下駄の開発と販売を行ってらっしゃいます。

GETTAはその中でも入門者向けのモデルです。特徴的なのは足を乗せるための板が足の前半分にしかないことです。必然、はいた時にはかかとが浮いた形になります。めちゃくちゃ不思議な形をしていますが、これが一本歯下駄を使いこなすためのコツを身につけるのには最適な形状だそうです。個人的にはこの妙な形がかなり気に入っています。

今回は最近買った風変わりな下駄の紹介でした。購入してから五日ほど履いています。履いた瞬間からその独特の履きごごちに驚いたり、立つのに苦労したり、効果を体感したり、書きたいことがどんどん出てきました。また今度まとめて紹介します!

適応障害になってから4ヶ月。休養を始めてから3ヶ月。

タイトル通り、適応障害になって4ヶ月、休養を始めてから3ヶ月がたちました。体調は少しずつ良くなり、1日の活動量もだんだん増えてきています。

休養を始める前は各種手続きや勉強がとても苦痛でした。手続きに取り掛かるまでに数時間を要し、勉強でわからないことがあると心臓がばくばくして不安と焦りで頭がいっぱいになっていました。例えば少し前に引越しをしたのですが、ライフライン停止のための電話一本をかけるのに半日を費やしたこともありました。

休養3ヶ月目(引越し前後)から劇的に体調が回復してきて、引越し後のライフライン開通はスムーズに行うことができました。逆にいうと休養2ヶ月までは、あまり休養の効果が感じられず焦ることが多かったです。回復までの期間や回復の仕方は人それぞれでしょうが、僕の場合はあるとき急に「良くなってきたかも」と感じました。今、適応障害で苦しみながら治療されている方は「なかなか状態が良くならない」と感じても焦る必要はないと思います。

今回は備忘録も兼ねて、今の自分の体調を記録しておきます。同じく適応障害に苦しんでいる人の何かの参考になれば嬉しいです。現在の状態は健康時を100として、攻撃力70守備力5といった感じです。

攻撃力というのは行動力のことです。最近は電話一本かけるくらいなら、心の準備に5分もかければ簡単にできます。発症直後のように電話中しどろもどろになることもなくなりました。勉強も一日2、3時間くらいなら苦なくこなすことができるようになりました。数分しか持たなかった集中力が、30分くらいは続くようになり、理解力自体も少し上がってきたように感じます。

防御力というのは嫌なことが起こった時に引きずらずに切り替える能力のことです。こっちの方は正直あまり回復を感じていません。嫌なことがあったら、急激に気持ちが沈みます。元気だった頃の自分なら気にも留めないようなことで、頭が真っ白になり「死にたい」と呟くことが多いです。

防御力の停滞感に不安はありますが、何かの本でメンタルの回復曲線は単調に増加するのではなく、ギザギザと上下しながら全体としてだんだん上昇していくとありました。この言葉を何度も自分に言い聞かせながら日々を過ごしています。とにかく焦らず頑張りすぎず、少し物足りないくらいで1日を終えるようにしています。これをルールにしてから、調子がいいような気がします。

今後のブログで、休養期間にどんなことをしていたか、特にどういうことが体調の回復に効果があると感じたか、具体的に書いていこうと思います。適応障害と戦っている読者の方はこれからも焦らずのんびりやっていきましょう!

死にたいけど死ねないし、死ぬわけにはいかないし、本当は死にたくない

真面目にやっているつもりなのにまたミスをしてしまったかもしれない。しかも今回のミスは、(本当にミスをしていれば)これまでのどれより重く取り返しもつかないミスである。ミスがあったかどうかは数日後まではわからない状況なので、今どうこうすることはできない。

なぜ自分はこんなにダメな人間なのだろう。今日はベッドからほとんど出ることなく1日が終わった。やるべきことはいくつもあるし、動かなければならないのだが動けなかった。夜になって、少しでも活動をしようと本屋まで歩いて行った。本屋につくまではミスに対する不安と自責の念で足が鉛のように重く、いつもの二倍くらい時間がかかった。なぜ自分は他の人が当たり前に果たしている責任が果たせないのだろう。自分がここから挽回するイメージが全く湧かないので、死が頭の片隅に浮かんだ。でも、そんなのは責任逃れに過ぎない。俺が死んでも何の償いにもならないし、もっと周囲に迷惑をかけるだけだ。ちょうど畳み掛けるように、イヤホンから竹原ピストルが 「生き恥晒したら潔く腹を切る。それってかっこいいか?実は最高に格好悪くないか?」と問いかける。自分勝手に死のうと考える自分に対してまた嫌悪感が湧き上がり、歩幅はもっと小さくなった。

本屋で一時間くらいパラパラ立ち読みをしている間に少し気持ちが落ち着いてきて、「結果のわからないミスのことばかり考えても仕方がない。今は一度忘れて、できることをやって過ごす。後でミスが発覚したら誠実にできるだけの対応をするしかない」、そんな数時間前には出ていた自明な結論を飲み込むだけの余裕が出てきた。本を一冊買って帰路に着いた。どうすればいいのかわからないが、何が起ころうと落ち着いて誠実に対応するという覚悟だけ決めていきたい。

休学中にやりたいこと

前記事に書いたのだが適応障害で休学することになった。休学をすると何もしないにはあまりに暇である。

最近は体調もだいぶ安定してきており、日常生活にはほとんど支障がなくなった。自炊や洗い物があまりに億劫でできないことはあるが、これは元々の可能性も高い。少しずつ活動ができるようになってくると、1日がだんだんと長くなってくる。8,9月は心を休めるということでNintendo Switchを購入してゲームをしていたが、モンハンライズでバルファルクを狩ったあたりで飽きがきた。ゲームは昔から好きなのだが、どうにも下手なのとストーリークリア後にやりこむほどのエネルギーはないのとで、疲れてしまったようだ。

今後はゲームほど気楽ではないが、その分継続的な楽しみを与えてくれる学問の方に少しずつ娯楽の重心を移していきたい。休学中に挑戦したいことは現時点で二つである。

アクチュアリー試験一次科目の生命保険、損害保険、年金の3科目受験

機械学習について基礎的な知識を習得する

①については現状の体力、集中力では少し難しい気もしているので、あくまで理想的な目標である。最低1科目(生命保険)、できれば2科目(生命保険+損害保険)、さらに余裕があれば3科目(生命保険+損害保険+年金)という感じで頑張ろうと思う。

②については大学院での研究で今後使うだろうから、今のうちに広く浅い知識を身につけておきたい。とはいえ学業がうまくいかなかったことは適応障害の直接の原因なので、この分野の勉強をすることも今の僕にはなかなかハードルが高い。アクチュアリー試験が終わってから、少しずつ取り組んでいきたい。

東大大学院生、適応障害になる!

6月からどうも体調がおかしいと感じていた。簡単な作業に集中できず、何もうまくいかない。本当に何もできないものだから自責の念が強くなり、情けなさで涙が止まらない。そうして一日中泣いているものだから、作業に取り組むことができない。負の無限ループである。

これはおかしいと思い、7月頭に病院に行くと適応障害の診断が出た。特定のストレス要因に対して身体が過剰に反応を示し、生活に支障が出る病のようだ。治療の第一歩としてはストレス要因から離れ心を休めること。次に認知行動療法などによってストレスに対する適応性を高めること。これらと並行して身体症状が強く出る場合には抗不安薬や睡眠剤などの頓服薬を用いて、生活をコントロールしていく。

幸い、両親や研究室の先生は非常に優しく、メンタル疾患に対しても理解があったので秋学期は休学させていただくこととなった。半年間焦らず休みながら、少しずつできることをふやしていきたい。とりあえず3ヶ月休んで、病気のことを文章にまとめられるくらいに回復してよかったと思おう。

出猩々モミジ

昨年の初夏からミニ盆栽を育てている。育てるものを選ぶ際、季節を感じられるものに惹かれ、なおかつ可憐な花は無骨な自分には似合わないと思った。そこで春に新芽を出し、夏には葉が茂り、秋は美しく赤に染まり、冬は落葉するモミジにした。残念ながら日当たりの管理がうまくいかず昨年は綺麗な紅葉を見ることができなかった。今年こそはうまく育てたい。

そんなモミジが春になって新しい葉を出してきた。その葉が見事に赤い。ため息が出るほど美しい赤だ。どうやら出猩々モミジという品種で、新芽は赤く夏がくるにつれて青々となって、秋にまた赤く色づくらしい。色の変化が年二回も楽しめるなんてなんだか得した気分だ。

新年度が始まるにあたっての煩わしい手続きや環境が変わる不安に気が滅入ってきた時には、こいつを見て心を落ち着けている。長い冬の間、葉を落としみすぼらしかった彼が、これほど美しく生命を燃焼しているのを見ると、今は苦しくとも力を蓄えいつか美しい新芽を出そうという気持ちになる。元気をくれてありがとう。

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